自然素材の、ほっとする家
富山県高岡市
大工であるご主人との共同作品
に入った瞬間、木の香りに包まれる。
ご夫婦が2人で暮らすHさん宅のコンセプトは、“自然素材”。
床はサクラ、天井はスギと、無垢材のぬくもりに満ちている。
「季節によって木が伸びたり縮んだりして、生きているんだなと思いますね。」
そう微笑みながらリビングで寛ぐご主人は、このHさん宅の棟梁を務めた大工さん。隣で奥様もにこやかな表情を浮かべる。
リビングの勾配天井と太い梁も、爽快な眺め。ここには、JAホームが提案した富山県産スギが使われている。
「自分たちと同じ富山県で育った木だから、すごく愛着が湧きます。リビングのテーブルは、自分が造ったんですよ。」
ご主人は、プレカット工場で加工された木材を組み立てるだけでなく、JAホームと一緒に木材屋へ行き、材料選びから加工まで手がけた。
「特に和室を造るのが楽しかったです。勉強にもなりました。」
和室の床柱も、ご主人の自信作だ。
「落ち着きますね。和風の飽きない家を望んでいたんです。」
奥様もお気に入りの空間だ。
もちろん、壁も自然素材。調湿効果や消臭効果を持つ珪藻土が使われている。
「1階の壁は、左官職人の父が塗ってくれました。一緒に家を作ることが夢だったので、嬉しかったですね。」
お父様の影響を受けて大工になったご主人は、この家づくりで長年の夢を叶えた。
「キッチンの仕様も気に入っていて、ぐるりと回遊できるんです。」
ケヤキを使ったキッチンカウンターも、ご主人とお父様との共同作品だ。
このHさん宅が建つ土地は、ご夫妻が2人で見つけて購入した。
「家の後ろに川が流れていて、春には桜並木が見られます。」
川沿いの遊歩道からは、大きな公園まで歩いて行ける。散歩するのも楽しい場所だ。
「昨年の夏には、蛍を見たんですよ。」
四季の移り変わりを肌で感じられるのもいい。
「この立地を生かして、和室から桜の木を眺められるようにしました。」
春になったら、ここに座ってお花見が楽しめる。
県産スギとガルバリウムを組み合わせた外観も、落ち着いた風情。
「外壁は、嫁の好きな紺色にしました。」
ご主人はそう言いながら、スノーボードを手入れする。
スノーボードが、ご夫婦の共通の趣味だ。
ご主人の次の楽しみは、ウッドデッキをつくること。
いつまでも飽きの来ない家で、たくさんの思い出が育まれていく。